「世界で最もサステナブルな帽子」Offcutが挑戦する端切れのリサイクル

ニュージーランドにある小さな会社が、ファッション業界の無駄をなくす挑戦をしています。ごみ捨て場から、かっこいいものをつくる。そんな思いを込めた「FROM DUMP TO DOPE」というメッセージを掲げるニュージーランドのアパレルメーカー「Offcut」。エイドリアンとダンの二人が中心となって、大きな変化への小さな一歩を踏み出そうとしています。

約20%の布が端切れとして捨てられるファッション業界

Photo by Alex Plesovskich on Unsplash

Offcutが変えようとしているのは、ファッション業界で新品の布が大量に廃棄されているという状況です。新品の布のうち、約20%が毎年捨てられているのだとか。近年のファストファッションの普及により、ファッション業界では廃棄問題が深刻化しています。ハーバービジネスオンラインの記事によると、製造された衣服の半分が廃棄処分されているとのこと。同記事では、2017年にはバーバリーが42億円相当の売れ残り消費を焼却処分したことをBBCが報じたことや、ファストファッションの代名詞であるH&Mが年間12トンの売れ残りを焼却している事実にも触れられています。もちろん、これらは海の向こうの問題というわけではありません。日本国内でも衣類ごみが年間100万トン排出されているとのこと。


Offcut – The World’s Most Sustainable Hats and Accessories

つまり、製造時の端切れだけではなく、すでに製造された服でさえも、焼却処分されたり(二酸化炭素が増えて灰が残るだけ……)、ごみ埋立地に廃棄されるというわけです。衣類のリサイクル技術の開発は進んでいますが、ファッション業界全体がリユースやリサイクルに対して、エシカルな意識を持つにはまだ時間がかかりそうです。

ファッション業界にエシカルな一石を投じるOffcut

Photo by Malia Rose / Offcut

ニュージーランドにあるOffcutは、廃棄された端切れを使って、帽子などを作っています。また、廃棄された家具をリサイクルして、レザー製のラゲッジタグを作ることにもチャレンジしています。

Offcutの原点は、エイドリアンの個人的な経験にあります。彼の父はクライストチャーチでカーテンメーカーを経営していました。エイドリアンは、幼いころから、工場にあふれる端切れで遊んでいたのだとか。あるとき、彼は、余った大量の端切れがどうなるのか、父に尋ねたそうです。埋立地に廃棄される事実を知ったエイドリアンは、そんなクレイジーなことを止めたいという気持ちから、端切れを帽子に再利用するビジネスを着想し、2015年にOffcutを立ち上げました。

Offcutはリサイクルで作られた帽子を世界中に広めて、廃棄量を減らそうとしているわけではありません。彼らの取り組みによって、あらゆる産業や消費者である私たち自身が過剰供給や過剰消費に「気づく」ことを目標に掲げています。

永久保証によるゼロウェイストなファッション

Photo by Malia Rose / Offcut

Offcutは、帽子そのものが非常に高品質であることを謳っています。それは長く使えるようにするため。すぐに買いかえるのではなく、一生使い続けられるように考えて作られています。さらに、なによりもの特徴は、すべての商品に永久保証がついていること。

たとえば、帽子を愛用しすぎたとしても、製造上の問題があったとしても、なにか乱暴な使い方をしてしまったとしても、無償修繕してもらえます。どうしても直しようのないダメージの場合は、新しい帽子に交換してくれます。

そう、せっかく端切れをリサイクルして作っても、その帽子をすぐに捨ててしまっては意味がないのです。Offcutが掲げるゴールは、あくまで過剰消費文化からの脱却なのですから。それにしても太っ腹。Offcutの思想は、ファストファッションの対極にあると言ってよいのではないでしょうか。

一方で、H&Mなどのファストファッションブランドも、布のリサイクル技術の開発 や、リサイクルキャンペーンの実施など、エシカルな取り組みを始めている模様。時代は変わろうとしています。

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