食べられる容器「Ooho!」がペットボトルに代わるかも!

私たちの生活で、もっとも身近なプラスチック製品といえば、ペットボトルではないでしょうか。リサイクルといっても、サーマルリサイクルくらいで、アメリカなどでは、基本的に埋立地に捨てられてしまうプラスチック。しかし、液体を入れる容器としては、なかなか便利であることも否めません。従来の代替品としては、びんや缶。そこに新しい選択肢が増えようとしています。

プラスチックボトルが不要になるかも!

ロンドンのSkipping Rocks Labが開発した「Ooho!」は、プラスチック由来ではない新しい液体容器です。まったく新しい製品なので、ちょうどよい名詞が見つかりません。英語では、「sachet(サシェ)」が適切なのですが、日本語では「小袋」としか訳せず、なんだかしっくりときません。袋でもなく、パウチでもなく、カプセルでもないのです。

Ooho!には、次の3つの特徴があります。

  1. プラスチック由来ではない。
  2. 食べられる。
  3. 生分解性である 。

この小さなカプセルのような薄い透明の膜に液体が詰まっていて、液体ごと口に入れることができます。食べても問題ありません。ペットボトルに代わる容器として期待されています。しかし、シチュエーションや用途によっては、ペットボトルの代替品としてだけではなく、それ以上の価値を生んでいるようです。

Ooho!は、海藻を原料としているため、食べても問題がないばかりか、ベジタリアンやビーガンの人も口にできます。そして、生分解性ですから、4〜6週間で土に還ります。ポイ捨てされても大丈夫というわけです。

マラソンやイベントですでに大活躍!

Photo by Ooho!

ロンドンで行われた「Harrow Half Marathon」では、ペットボトルのようにゴミを出さないばかりか、ランナーフレンドリーな水分補給手段になったようです。同マラソン大会の2017年度優勝者であるLucy Asheさんは、BBCの取材にこう答えています。「最初は慣れるのに少し時間がかかりましたが、実際に使ってみると、レース中に飲むには完璧な量でした。ペットボトルは大きすぎるんです」

「London Marathon 2019」でも、水分補給のために使われました。ランナーは走りながら、沿道のOoho!を手にとり、ぱくっと一口。コンパクトで受け取りやすい、飲みやすい、さらにゴミも出ない、と良いことづくめのよう。

「ローラン・ギャロス」として知られるテニスの全仏オープンでも、トロピカーナとコラボして、Ooho!に入ったフルーツジュースを楽しむことができたようです。

新しいマーケットをつくる可能性

Photo by Ooho!

500mlが一般的なペットボトルに比べて、容量は少なめなので、さらなる用途開発が待たれます。マラソン大会のようなスポーツシーン、イベントでのジュースやカクテルなどに最適です。さらにテイクアウト向けのソースやドレッシングの容器としても使われています。ソースは少量で十分ですし、テイクアウト用途ではソースの容器がゴミになってしまうこともしばしば。最適な用途と言えるでしょう。

容量は10〜60mlとのことですが、フタがない容器なので、そもそもあまり大きな容量には向いておらず、あまり問題はなさそうです。Ooho!がもっと広まり、プラスチック容器が削減されていくためには、どのように活用していくかというアイデアが求められているのではないでしょうか。

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