100%プラスチックフリーの食べられるラップ「SCOBY(スコビー)」

大手飲食店でのプラスチックストローの廃止や、日本の環境省によるプラスチック製レジ袋の有料化に向けた取り組みなど、プラスチックごみの問題は世界的に関心が高まってきています。

そうしたなか、100%プラスチックフリーの食べられる食品ラップ「SCOBY(スコビー)」が、ポーランドで開発されました。

Photo of SCOBY provided by MakeGrowLab

ポーランドの学生が開発した野菜でできたラップ

ポーランド人のデザイン学生であるRoza Januszさんが大学の卒業制作として提案したのが、食べられるラップSCOBYです。その後、ポーランドのエコ専門家チームであるMakeGrowLabによって開発されました。

Januszさんが提案したSCOBYは紅茶キノコ(紅茶や緑茶、酵母とバクテリアからできる発酵飲料)に砂糖と他の有機物質を加えるなど、比較的簡単な化学反応で作るものでしたが、現在では地元農業で余った野菜を使って作られています。

そのため、使用後(賞味期限2年)は有機肥料として自宅のガーデニングなどに用いることができるだけでなく、食べることもできます。

柔軟さと耐水性が特徴

環境に優しいSCOBYですが、ラップとしての機能を十分に果たしています。従来のプラスチック製ラップと比較すると、SCOBYは柔軟性、耐性や耐水性に優れ、酸素をしっかりと遮断できるため、食べ物を新鮮な状態のままに保つことができるそうです。

MakeGrowLabのサイトにて、厚さや色などが異なるSCOBYのサンプルセットを購入できましたが、大量生産に向けて8月11日現在、生産を停止しています。

Photo of SCOBY provided by MakeGrowLab

バイオ改革に向けた一歩とも称されるSCOBY。イノベーションによって、私たちが日常の中でより環境に優しい行動を選択することができるようになってきています。しかし、比較的小さな企業や団体などが、こうしたイノベーションを商品化するのは容易ではありません。 商品化を待つだけではなく、私たち消費者が開発に取り組む企業や団体をさまざまな形でサポートすることが、より環境に優しい社会を達成につながるのではないでしょうか。

About the author : Nobuhiko

大学時代に環境問題に興味を持ち、イギリスの大学に都市開発学を学ぶため、交換留学をする。現在は、フランスの大学院にて都市開発学を学び、地域通貨のプロジェクトにインターンとして携わる。趣味は、街巡り、水泳、料理。

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