日本でのレジ袋有料化はいつから?目的や効果について

政府は、早ければ2020年4月1日をめどに、スーパーマーケット、コンビニなどのすべての小売店でレジ袋の有料化を義務化する案が議論されています。

レジ袋有料化の目的と背景

プラスチックごみによる海洋汚染

世界では、年間数百万トンの陸上から海洋へのプラスチックごみの流出があると推計され、2050年までには、魚の重量を上回るプラスチックが海洋に流れ出すことが予測されています。

プラスチック資源循環戦略

こうした海洋プラスチックごみ問題や、資源・廃棄物制約への対応は、SDGsでも求められています。これらの世界的な動きのなかで、今回のレジ袋有料化義務化が議論されています。

政府は、今年の5月にかかげたプラスチック資源循環戦略のマイルストーンのひとつとして、2030年までにワンウェイ(使い捨て)プラスチックの排出を累積25%排出抑制を目指すことを発表しました。その具体的な施策の一部がレジ袋の有料化の義務化です。

1人当たりプラ包装容器廃棄量、日本は世界2位

日本は米国に続き、世界で2番目に1人あたりの使い捨てプラスチック包装容器廃棄量が多い国です。

UNEP 国際連合環境計画 SINGLE-USE PLASTICS: A Roadmap for Sustainability

また、日本国内のレジ袋消費量は年間で300億枚といわれています。

世界に遅れる日本のプラスチックごみ規制

世界の60 か国以上でプラスチック袋、発泡スチロールが規制されています。フランス、モンゴル、インドでは、国家レベルでの規制があります。アイルランドやポルトガルなど他の国では、プラスチック袋への課税などの経済的な施策が導入されています。日本では、いまだ事業者の自主的取組等に委ねられているのが現状です。

参考:https://www.statista.com/chart/14120/the-countries-banning-plastic-bags/

レジ袋の有料化はプラごみ海洋流出の防止に有効?

レジ袋の有料化は、海洋プラスチックごみ排出の抑制にどのくらい有効なのでしょうか?

世界の海洋プラごみ排出国

世界の海洋プラスチックごみ排出国のトップ10は以下の通りです。

  1. 中国
  2. インドネシア
  3. フィリピン
  4. ベトナム
  5. スリランカ
  6. タイ
  7. エジプト
  8. マレーシア
  9. ナイジェリア
  10. バングラディッシュ

データ参考:
https://science.sciencemag.org/content/347/6223/768
https://jambeck.engr.uga.edu/landplasticinput

アジアの国は、ごみ回収・焼却システムが整っておらず、プラスチックごみが適切に管理されていないために、排出量が多くなってしまっているのが現状です。

日本のプラスチックごみ排出量は高いですが、海洋プラスチックごみ排出国のトップ20には入っていません。ごみの回収・焼却システムが整備されているためです。

日本では、廃プラスチックは、28%がリサイクル、熱回収(焼却処理して、発生した熱を発電などに使う)が58%です。その他は焼却されたり埋め立てられたりして廃棄されています。プラスチックごみ焼却処理の仕組みについて詳しくはこちらhttps://coala.co.jp/2018/12/28/01-2/)から

プラスチックは製造は安価ですが、廃棄処理のための管理負荷やコストが高くつきます。

日本は世界のなかでは海洋汚染の主要国ではないこと、しかし、一方でプラスチック包装容器廃棄量が世界2位であることを鑑みると、日本におけるレジ袋有料化の意義は、海洋汚染の防止よりも、再生不可能なプラスチック資源への依存を減らし、ごみ処理のコスト削減にあるといえます。レジ袋の有料化は、サステナブルで長期的な成長の視点から見ると、やっておくべき施策でしょう。

消費者や企業からの懸念の声

ごみ袋としてのレジ袋の活用について

消費者の懸念のひとつとして、もしも、小売店からもらえるレジ袋がすべてエコバッグで代用されると、ごみ出し用のごみ袋を別途購入する必要が出てきて、結局廃プラスチックの削減につながらないのではという声があります。

企業側からの懸念

レジ袋有料化の対象は、スーパーマーケット、コンビニなどを含むすべての小売店です。日本フランチャイズチェーン協会からは、おでんなどの汁物はエコバッグでは対応できない、商品を詰めるスペースの確保が必要になるなどの懸念があげられました。

参考:https://www.sankei.com/life/news/190926/lif1909260017-n1.html

プラスチック代替物の開発

プラスチックごみを減らすために注目が集まっているのが、生物分解可能なプラスチック代替用品です。

海藻でできた包装紙 Evoware

インドネシアのベンチャー企業Evowareは、海藻でできた包装資材を研究・開発、製造しています。この素材は完全に土に還るだけでなく、食べることも可能です。

  1. https://www.youtube.com/watch?v=lw6FCdVeBNE
  2. https://www.evoware.id/

野菜でできたラップ「SCOBY(スコビー)」

ポーランドでは、100%プラスチックフリーの食べられる食品ラップ「SCOBY(スコビー)」が開発されました。SCOBYは、地元農業で余った野菜を使って作られています。使用後(賞味期限2年)は有機肥料として自宅のガーデニングなどに用いることができるだけでなく、食べることもできます。

使い捨てプラスチックの規制の今後

使い捨てプラスチックは、レジ袋だけでなく、食品トレーやお弁当の容器、おにぎりやお菓子の包装紙、シャンプーや洗剤のボトルなど日常のさまざまな製品から発生しています。 今回のレジ袋有料化の義務化の議論は、身の回りのさまざまなプラスチック製品とどのように付き合っていくべきか考えるためのきっかけになるのではないでしょうか。

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